#03「はじめての世田谷パブリックシアター」
建築・アート・ギャラリーが好きな普通の社会人が
散歩しながら巡ったスポットを紹介していくブログです。
前回、前々回はギャラリーを紹介しましたが、
今回は、先日観劇した舞台のご紹介です。
中学高校と演劇部に所属していたこともあり、
いつしか舞台観劇も趣味のひとつになっていたので、今回はそんな#です。
11/11(土)~11/26(日)まで、
東急田園都市線 三軒茶屋駅目の前の
“世田谷パブリックシアター”で上演中の
「無駄な抵抗」という舞台。
舞台はとある駅前広場。
関わり合いのない登場人物たちが
同じとき・空間に居合わせることで物語が進んでいきます。
無駄な抵抗というタイトルが
物語が進むにつれて色濃くなっていくところがおもしろかったです。
「運命論」がキーワードな作品です。
個人的には、はじめての
世田谷パブリックシアターでの観劇と
今回の舞台の作・演出の前川知大さんの作品、
いわゆる「前川演劇」を体感できたことが嬉しかった。
最近はコメディなど終始明るい雰囲気を感じられる作品を好む傾向にあったので、
人間のリアルな感じが描かれる作品からは遠ざかっていたのですが、、
「前川さんの演劇もっと観たい!!」
となるくらいに前川演劇のトリコになりそう。
前川演劇に興奮のなか、
世田谷パブリックシアターにも大興奮。
この劇場を訪れたことがある方は共感していただけたら嬉しいですが、
数ある劇場のなかでも、天王洲アイルの銀河劇場に似たようなつくりの劇場に感じました。
今は体感できないですが、赤坂のACTシアターに似ている感じも。
レンガ調の壁面が落ち着いた雰囲気を演出します。
ロビーから客席に向かうまでの階段も、占める面積は大きくないながらも
客席までの高揚感を感じさせる空間の不思議さがあって楽しい。
独特過ぎてあまり伝わっていない気がするけど、まあいっか
もちろん場内も魅力的。
劇場空間で重要なのは、ステージと客席との関係性。
ほとんどの方が「劇場」「ホール」と聞いて想像する形式は
「プロセニアム形式」というもの。
一番身近でいうと、市民ホールなどの公共施設や
学校の体育館もプロセニアムのような形式が多いです。
“プロセニアム”はいわば
額縁で、
作品を上演している舞台側と、それを鑑賞する客席側が
その額縁でしっかり区分けされている感じ。
ただ区切るだけでなく、客席から見てプロセニアムの奥では演者が準備をしていたり、
舞台機構を客席から隠すような効果もあります。
対して、プロセニアムではない形式は
「オープン形式」
プロセニアムがない、つまり
舞台上と客席の間に額縁がない状態です。
客席から舞台機構などが隠せない、演者が舞台袖で準備ができないなどの事象が発生しますが、
それにより
客席と舞台上という区切りを感じることなく、観客が作品を楽しむことができるというのが最大のメリット。
制作側の演出によっては、観客に「自分も舞台上にいるんじゃないか」という感覚に陥らせることができます。
作り手の自由度と、舞台というナマモノの緊張感がより一層増すのがオープン形式です。
世田谷パブリックシアターは
プロセニアム形式もオープン形式もできる可動式な劇場です。
ちなみにこの「無駄な抵抗」はオープン形式でした。
今回の作品の内容が日常に近いものがある分、
オープン形式であるほうが、観客を作品の世界観に惹き込みやすいんだと思います。
みなさんも劇場やホールへ行く際は、
プロセニアム形式かオープン形式かチェックするのも楽しめると思います。
今回の作品、舞台、劇場が気になった方はぜひ足を運んでみてください。
以上、チャイでした。
【チャイ プロフィール】
・大学の建築学科卒(Sakuramenスタッフ唯一の2級建築士、1級を勉強中)
・建築と演劇好きのちょっと変人AB型
・座席好き(電車・バス専門、撮り・乗り鉄とは異なる、単なる座席好き)
・Instagramの中の人。撮影・編集・投稿を一人で担当。
・好きな住宅:清家清さんの「私の家」