企画展「Material, or 」@21_21DESIGN SIGHT

2023.07.10

EVENTS

【概要】

21_21 DESIGN SIGHTでは、2023年7月14日より企画展「Material, or 」を開催します。

展覧会ディレクターには、自主的なリサーチプロジェクトによって生まれる独自の視点から新しいデザインのかたちを発信し続ける、デザイナーの吉泉 聡を迎えます。

普段の生活の中で接する「もの」のほとんどは、人によってデザインがなされています。ディレクターの吉泉は、これら「もの」がつくられる過程にはこの世に存在するありとあらゆる「マテリアル」が「素材」として意味づけされるプロセスが含まれていると述べています。つまり、特定の意味を持たなかった「マテリアル」が、人や生物との関わりの中で「もの」へとつながる意味が付与され「素材」となるのです。「マテリアル」と「素材」は本来同義ですが、本展では先述のように使い分けて考えていきます。

私たちがものについて考えるときに、誰かが意味付けをした素材について意識を巡らすことがあったとしても、マテリアルにまで立ち戻ることはほとんどありません。合目的的に「座りやすそうな木製の椅子」と捉えることはあっても、原初的な感覚として「生命感のある木」という感覚まで立ち戻って思いを巡らせることはまれです。本来、意味とはマテリアルとの対話から立ち現れるものであったはずです。私たちは有史以前からマテリアルと共に暮らし、密接な対話を通してものをつくり、暮らしを営んできました。しかし現代社会においては、一部のつくり手がデザインを担うことで、多くの人にとってマテリアルとのつながりは「つくる/つかう」という視点から断ち切られています。

また、マテリアルとの対話とは、マテリアルを管理することとは異なります。つくり手の思ったとおりの形や機能をデザインすること、つまり、つくり手の思ったとおりの素材とすることが、必ずしも人とマテリアルとのよい関わり方だとは言えないでしょう。むしろ、さまざまな環境問題が提起される現代だからこそ、一度素材の意味を剥ぎ取り、マテリアルとの原初的な感覚のやり取りから、その背後にある自然環境や社会環境の持続可能性まで含めて、身体的で深い対話がなされるべきだと考えられます。

私たちとマテリアルのつながりを、地球をめぐる果てしなく広大な物語から読み解き、再発見を試みる本展がマテリアルの織り成す新しい世界を感じるきっかけとなれば幸いです。 (展覧会ホームページより抜粋)

【会期】

2023年7月14日(金)~11月5日(日) 10:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:火曜日

【入場料】

一般:1,400円、大学生:800円、高校生:500円
中学生以下:無料

【会場】


21_21 DESIGN SIGHT

東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
(都営大江戸線「六本木」駅、東京メトロ日比谷線「六本木」駅、 千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分)