感覚する構造 - 力の流れをデザインする建築構造の世界 -

2023.12.12

EVENTS

【概要】

1923年の関東大震災から、今年で100年が経ちます。われわれ人類は、地震力や風力をはじめ自然の力が及ぶ世界に生き、さらには地球という重力空間において、建築における力の流れをどうデザインしてきたのでしょうか。そうした力の流れや素材と真摯に向き合い、技術を駆使し、建築の骨格となる「構造」を創造してきたのが、構造デザインの世界です。「建築家」と構造をデザインする「構造家」の協働により、数々の名建築が生み出されていますが、構造家や構造について詳しく紹介される機会は多くはありません。構造家は数学や力学、自然科学と向き合い、計算と実験、経験を積み上げた先に、やがて力の流れが自身の中に感覚化し、感性を宿すといわれています。

このことから、WHAT MUSEUMでは構造デザインについて、模型を介して体感から理解を深める展覧会を企画しました。本展では鑑賞者自身が構造模型を通して、構造デザインという創造行為の可能性とその哲学を体感することができます。また、建築の構造を「感覚」することで、自らが住む世界にはたらく力の流れと、その力と自身の感性との結びつきについて思考を促します。

本展は、導入展示と3つのテーマ展示で構成し、40点以上の構造模型が鑑賞できます。導入展示では、古代から現代までの名建築の構造模型を通して、建築における力の流れを感覚的に捉えられます。テーマ展示では、建築家・ 磯崎新、伊東豊雄、妹島和世+西沢立衛/SANAAと構造家・佐々木睦朗の協働を取り上げた展示から、佐藤淳らとJAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発中の月面構造物を紹介する展示、近年サステナブルな建材として注目される竹を使った建築作品の模型展示を展開します。

【見どころ】

●月に人間が滞在するための月面構造物1/10の模型、本展初公開

●古代から現代までの名建築の構造模型を40点以上展示

●建築家・磯崎新、伊藤豊雄、妹島和世+西沢立衛/SANAAと構造家・佐々木睦郎の協働による建築作品

●サステナブルな素材である竹の新たな可能性を切り拓く建築作品と原寸モックアップ模型

●47都道府県・全国構造マップ

●来館者が実際に触れて、体感できる構造模型

【音声ガイド情報】

日本語ナビゲーション

アンガールズ 田中卓志

広島大学の建築学科で構造を学んでいたアンガールズ田中氏が、展示作品の解説や展覧会の見どころを分かりやすくお伝えします。
音声ガイドは、WHAT MUSEUM 公式アプリをダウンロードいただくと無料でご利用いただけます。

【会期】

2023年9月30日(土)~2024年2月25日(日)火曜日から日曜日 11:00から18:00(最終入場 17:00)
休館日:月曜(祝日の場合、翌火曜休館)、年末年始

【会場】

WHAT MUSEUM 1階(東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫G号)

【入場料】

一般 1,500 円
大学生/専門学生 800 円
高校生以下 無料

【出展作品(一部)】

白川郷合掌造り民家-旧田島家 模型(白川村教育委員会所蔵)
浄土寺浄土堂 模型(東京大学総合研究博物館所蔵)
薬師寺西塔 模型(明星大学 建築学部 松尾智恵研究室所蔵)
錦帯橋 模型(東京大学生産技術研究所 腰原幹雄研究室所蔵)
ゲートウェイアーチ 模型
パンテオン 模型
ソチミルコのレストラン 模型
豊島美術館 模型(西沢立衛建築設計事務所所蔵)
新香川県立体育館 模型
モントリオール万国博アメリカ館 模型
国立代々木競技場 模型
東京スカイツリー 模型(東京スカイツリー(R)所蔵)
カタール国立コンベンションセンター 模型(佐々木睦朗構造計画研究所所蔵)
せんだいメディアテーク 模型(佐々木睦朗構造計画研究所所蔵)
瞑想の森 市営斎場 模型(佐々木睦朗構造計画研究所所蔵)
多摩美術大学図書館 模型(伊東豊雄建築設計事務所所蔵)

※会期中一部作品の入れ替えを予定

【主催】

WHAT MUSEUM