2024.11.21
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【終了予定2024/12/1】20世紀の絵画とガラス工芸
2023.12.12
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海ギャラChill Outでは昨年、「建築家・構造家がみつめた竜串の自然」を開催しました。国の登録有形文化財となった海のギャラリーや足摺海底館が、「この土地の自然をどのように読み取って計画されたのか?」を紐解(ひもと)く企画展示でした。今年はその視点を180度転回させ、人々に2つの建築がどう映り、どう受け容れられてきたのか探っていきます。読書に例えるなら、昨年は作家の視点から作品を読み解き、今年は複数の読者の視点から作品を読み解く企画です。
タイトルにある「モダニズム」とは、伝統からの脱却を目指し、新たな社会や文化のあり方を模索する動向を指します。海のギャラリーや足摺海底館も、この土地の伝統とは異なる方法で設計され建設されたという点ではモダニズムの建築であったと言えるでしょう。そんな建築に接したとき、誰しも自らの文脈で解釈し、百様の海のギャラリー、百態の足摺海底館が立ち上がることになります。
今夏、海のギャラリーや足摺海底館にゆかりある13組16名の方々にインタビューを行いました。このたびの展示では、共通して立ち現れたシーンやイメージを、mari masudaさんによるイラストを添え、パネルでご覧いただきます。また、インタビューをとりまとめた13組13冊のファイルから、それぞれのライフストーリーに現れる固有の海のギャラリー、固有の足摺海底館の姿に接していただくことを試みました。インタビューの話者と聞き手による「対話的作業によって共同制作された13の社会的現実(※)」が、会場を訪れたみなさまによる、竜串やモダニズム建築の読み解き、そして、多層世界の読み解きの手がかりになれば幸いです。
※「対話的作業によって共同制作される社会的現実」:桜井厚著『ライフストーリー論』では、インタビューの聞き手を<近代が想定した自律した人間>ではなく、<社会的・文化的背景をもつ固有の人間>と捉えています。そうした前提に立ったインタビューは、話者のみならず、聞き手の立場、個性、状況などにも左右され、両者共同で構築する社会的現実であるということが強調されます。今回の企画展示は、これに大きな示唆を受けて制作しました。
2023年12月3(日)から2024年1月14日
無料(ただし、入館料別途必要)
海のギャラリー|高知県土佐清水市竜串23-8|9:00-16:00 (木曜休館)
足摺海底館|高知県土佐清水市三崎4124-1先|9:00-17:00 (無休)
海ギャラChill Out