2024.10.25
ゆるりとひと休み 12.新宿梁山泊 「ジャガーの眼」
2024.01.12
皆様こんにちは、つばきと申します。
インドア趣味のつばきが、誰かに勧めたいと思った物をしたためる記事です。
今回はこちら。
『一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常』
幻冬舎文庫様より出版されている小説で、ホラーやノンフィクション作家としても活躍されている
二宮敦人さんが執筆されたミステリー小説です。
ミステリーといっても、
良い意味でライトなミステリーものなので、
ミステリー小説をあまり読んだことが無い方にもおすすめです。
***
物語は、鉄道会社で駅員として働く
夏目壮太を中心に進みます。
夏目が働く藤乃沢駅で起こる摩訶不思議(?)な事象に、
同僚たちと共に夏目が挑んでゆくストーリーです。
いきなり謎仕掛けの世界が展開されると思いきや、物語は日常そのものから始まります。
タイトルにもある通り、本作は鉄道員のお話なので、
藤乃沢駅で働く夏目たちの業務がこと細かく描写されています。
私たちが普段何気なく使っている鉄道ですが、
鉄道会社で働く方々の業務を詳しく知る方はそこまで多くないのではないでしょうか。
つばきもその一人で、なかなか知る事のない世界が描かれおり、
ある意味でドキュメンタリーもののような感覚でも楽しめました。
読むと少し、普段使う鉄道業界で働く方々への見方が変わる、、、かもしれません。
そしてもちろん
肝心の「謎」の部分ですが、、、
こちらも読み応えたっぷりです!!!
いわゆる「伏線回収」の部分も多くあり、
解決のシーンでは思わず「こんなところが伏線になっていたのか!」と驚きの連続です。
上述の通り鉄道員としての仕事描写もかなり細かく描かれていて、
ミステリーではない部分も非常に興味深く読めました。
本作には、夏目の日常描写以外にも、もう一つのストーリーが存在します。
その「もう一つ」は、大学生絡みのお話となっており、
つばきも自身の学生時代を思い出しながら「アアアアアア.....(語彙力喪失)」となって読んでおりました。
夏目とそのもう一つ、さらには途中で登場するキャラクター達にも小さな物語があり、
オムニバス形式のような形でお話が進みます。
そして後半は、、、、、
ハラハラドキドキのシーンあり、心温まるシーンあり、「まさか」の展開ありと、
単なるミステリーにとどまらないお話が展開されます。
すべてのお話が繋がり読み終えた時には、
なんとも言えない余韻 ─だが確かに心地の良いそれ─ で満たされます。
***
普段あまりミステリー小説を読まないのですが、
登場人物の相関関係も分かりやすく、話がスッと入ってきました◎
ミステリーだけではない他の要素も楽しめる一冊ですので、
色々な方にオススメしたい一冊です。
以上、つばきでした。
(イラスト:つばき)