第30回ユニオン造形デザイン賞公募

2023.09.04

CONPETITION

【概要】

建築には記憶をつくる力がある。
建築はこれまで家をつくり、街をつくり、都市を築き、文化や文明は豊かさを繁栄してきた。
建築こそが都市をイメージさせ、建築は歴史や時代を造形してきた。
近代建築は「新しさ」だった。
近代化は自由への渇望だった。
権力からも、宗教からも、歴史や国境からも解放され「新しさ」こそが未来への創造だった。
しかしグローバル時代において、「新しさは新らしさによって新しくなり続け」、成長と消費、興奮と破壊の原動力へと変貌してしまった。

本コンペティションでは、記憶を原動力として建築にしてほしい。この不確実な先の見えない時代、深いところから、大きく息を吸って建築について考えてもらいたい。新しいものは冷たく、古いものはいつも温かさが宿る。記憶を思考し、記憶を構築し、記憶を造形してほしい。記憶を建築することが、古代や中世では創造の源泉であったように、古代ギリシャ神話では記憶の女神ムネモシュネ―が芸術の母として君臨し、15世紀のラモン・リュイは記憶術によって中世の思想に階層や系統を与え、ジャンバッティスタ・ノッリは18世紀のローマの地図によって図と地の概念を覆し、フランス革命期におけるブレ、ルードゥー、ルクーのドローイング群はいまも強い影響を与え続けている。

ここでは具体的な文脈や場所の設定は自ら示してほしい。
世界に向けて、アイデアを飛躍させ、想像力を夢想してほしい。それは都市であったり、建物であったり、または既存の建物であったり、環境であったり、風景や廃墟であったり…もしくは図形が観念の提案であって良い。

デジタル化によって情報は加速し、知能が拡大されていく現在、記憶という叡知によって建築の創造性に溢れる発想を期待している。建築を創造することで、記憶を造形し、記憶を継承することで、豊かさをもたらし、世代から世代を継なぎ、建築が未来を約束する。これからの時代を建築が生き抜く為に、記憶について考え、学び、驚き、そこから未来への原動力となるような建築を期待しています。
(公募ホームページより抜粋)

【テーマ】

「記憶の建築」

【審査員】

建築家 / 田根剛

【賞】

大賞 1点:賞金100万円
奨励賞2点:各賞金50万円
佳作 数点

【作品応募期間】

受付開始:2023年9月11日(月)
 締切 :2023年11月10日(金) ※当日消印有効

【応募資格】

・学生(大学生、大学院生、専門学校生)
・実務経験10年以内の社会人
※但し、1994年1月1日以降生まれの方とします。共同制作の場合、代表者を決め共同制作者全員を連名してください。

【主催】

公益財団法人ユニオン造形文化財団